Learner Autonomy in Language Teaching
CEFRでもう一つとても大事な考えがあります。それは、learner autonomy(学習者の自律)というものです。CEFRは、言語力の評価測定のレベルとして言及されることが多く、テストの尺度に焦点が当たります。私自身もそれには興味があり、フィンランドのユバスキュラ大学のSauli Takala先生を訪れ、何度も話しました。日本にも呼びました。しかし、データの取り方よりも、広く言語学習全般の話をしたと思います。評価測定は重要ですが、それだけではないということです。その中でCLILも知りました。
My ELP (European Language Portfolio) in the Classroom
その中で、ELP(European Language Portfolio)というCEFRを具現化するシステムを知りました。とてもいい考え方です。学習者が自分自身で言語学習を管理し、自律的に学習するシステムです。3つのことを推進しています。
a language passport(CEFRの自己評価)
a language biography(言語学習の履歴)
a dossier(言語学習の具体的証拠)
この3つを書類(証拠)として管理し、それをもとに学習を自律的に進めるのです。
すごくいい考え方で、教師の多くは賛成しています。が、実態はなかなか見えません。具体的な学習ではなく、授業の中でどう利用するかがむずかしいのです。授業を見ても何がどうなっているかわからないのです。実際の運用を現地の学校に行き、教師とも話しました。多くは賛成です。が、。。。という感じです。
それでも、私は、このELPこそがCEFRを具現化するもので、何度か日本でも推奨しようとしました。教師に関しては、The European Portfolio for Student Teachers of Languages (EPOSTL) がそれにあたります。また、その日本版が、「成長のための省察ツール言語教師のポートフォリオ」です。JACET教育問題研究会が手がけました。神保尚武先生他みなさんの努力だと思います。しかし、私には、それが実際にどう役立つのかに疑問がありました。実際にどのように活用されているかがよくわからなかったのです。
CEFRは、やはりヨーロッパのCLT (Communicative Language Teaching)の理念を提案したものだと思います。多くの考えが入っています。しかし、結局、言語の評価測定だけが注目され、そのほかの多くの知見があまり顧みられないのは残念でなりません。という理由で、私はもう少しわかりやすいCLILという学習に興味を持ちました。教師の言語に対する考え方を少し変えてみたいと思ったのが発端です。CLIL自体はCEFRとは直接関係はないのですが、私自身は日本のような環境では活かせると思った次第です。
しかし、思ったようには行きません。結局徒労に終わっているような気がします。でも、楽しくやっていきたいと考えています。学習者が自律して学ぶことが、教育の大きな目標だと思っています。残り少ない人生それに賭けます。
十二月 ふりかえれども 何もなく