TEC14: Q&A Session with Simon Borg
本日は、ずっと前に書いた私の主たる研究の教師認知(teacher cognition)の研究についてです。スタートは、ビデオに登場しているSimon Borg先生と話してから興味を持ちました。しかし、彼の研究は発端で、私の研究はかなり違う見方をしています。別の言い方では「教師のこころ(teacher kokoro)として研究しています。特に、言語教師について研究しています。が、教師の研究という多くは、教師を研究対象として研究することで、授業を見たり、インタビューしたりなどして、ときに批判的に研究したりします。 研究者が教師の意思決定や成長、悩み、職場、同僚などとの関係など、実態を調査して、報告する内容が多かったのですが、私は、そうではなく教師を応援する意味と、自分の探求を意図して、この教師認知の研究をしています。
「教師認知」という用語が心理学で使われていたので、使っていますが、適切ではありません。そこで「教師のこころ」として発表などをしていました。また、大学英語教育学会(JACET)という組織で「言語教師認知研究会」をスタートさせました。現在は、龍谷大学の長嶺先生が主で運営しています。しかし、teacher cognitionという研究はその後少しずつ変わっています。また、この類の研究はもともといろいろな名称を持って行われていたので、複雑でした。ましてや、言語教師 (language teacher)という括りも意外に多様で研究がむずかしい部分があり、一時と較べると、現在はあまり熱気がないような状況です。
世界的に教師の不足、多忙などが課題で、言語を教える指導法も、第二言語習得の研究も大きな進歩はなく、コミュニケーションを重視する指導(Communicative Language Teaching)以来、コンピュータやAIの発展により、教師よりは学習の方に注目が集まっているように思います。その関係もあり、バイリンガル教育などが盛んになっています。教師教育や教員養成は多くの国で目新しいことは、この何年もありません。
しかし、教師という仕事は複雑で、さまざまな要素があります。教師の種類も多彩で、幼児から大人まで、小中高大などの学校段階、現状はオンラインが盛んになり、教えるや学ぶ形や質が流動的です。私は、言語教師を研究してきました。言語は、英語、日本語、中国語、韓国語、フランス語などの主要な言語を対象として、地域も、日本、アジア、ヨーロッパが中心です。すべてをカバーできません。主たる言語は英語です。それも、日本の小中高です。その状況とその他の国の英語教育と比較してきました。その過程で、CLIL (Content and Language Integrated Learning)(内容と言語を統合した学習)に出会い、少し実践研究の面で方向性が変わり、CLILの実践的な推進を余生の主たる仕事としています。
ARMS interview - Unit 1: Introducing teacher-research
それとともに、教師を研究するのではなく、teacher research(教師がする研究)に興味を持って、その研究手法に関心を持っています。ビデオは、Warwick UniversityのRichard Smith先生のteacher researchの説明です。世界では多くの人が推奨していますが、日本ではあまり浸透していません。現在の研究や実践はすべてteacher cognitionから始まりました。teacher cognitionは、単純に言えば、「教師が何を信じて、どう考え、どう行動し、どのようにふりかえるか」というプロセスの探求と、私は定義しています。何のためにそれをするのかというと、「教師自身のビリーフ、思い込み、知識や技能に対する思考などを確認し、どのようにそれをよい方向に持っていくかを自身で把握し行動すること」と考えています。
これによって、私自身は、自分がどのような人間で、どのような思考パターンがあり、多様なあり方をどのように柔軟に考え、学習者のためにどう行動し、自分自身をどのようにふりかえるかが、以前よりは自然にできるようになりました。この日記もそうです。誰かに読んでもらうとか、これによって何かを得ようとかなどはあまり考えません(ちょっとは考えます)。それよりも、このように書いて記録を残すことにより、少し冷静に自分を見つめることができます。それが、私にとってのteacher cognitionという研究となっています。
ふりかえる 自分のこころ 雪だるま