2025年6月15日日曜日

Learning assessment /学びの評価 2025年6月15日(日)

学ぶ動機のさいごは、「 学びの評価は個人の成長で測る」ということです。誰かと較べたり、他者や何か決まった尺度で較べたりするのではなく、その人それぞれの成長で測る評価です。

教育の世界での評価は、評定や成績とは違いますが、一般的には混同されます。文部科学省では、「目標に準拠した評価」を提唱しています(学習評価に関する資料)。いわゆる「観点別の学習状況の評価」と「総括的な評価としての評定」で学習の評価をします。観点別とは、「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「主体的に学習に取り組む態度」としています。この方針のもとに、かなり細かく指示しています。各教育委員会はそれを忖度し各学校に指示し、各学校はさらに忖度して、児童・生徒の学習を評価します。

文部科学省によれば、ここで私が主張することは、個人内評価として、総合所見のようなかたちで処理されています。要するに、ほぼ意味をなさないような主観的なコメントとして評価を考えています。文部科学省の学習評価に対する考え方は、現場感覚からすると解釈がむずかしく、結局従来からある評定だけがすべてになってしまうのが現実だと思います。

私がここで述べている評価はassessmentです。所見ではありません。生徒が、昨日よりは今日、1ヶ月前よりは今日、1年前よりは今日というように、具体的に何を学んだかを個人が把握できるように支援する評価です。それは、別の言葉で言えば、形成的評価(formative assessment)です。形成的評価は古い考え方ですが、評価の基本だと思っています。その考えから、自己評価(self-assessment)が重要と考えられているのが、ごく一般的な考え方です。

評価には多様な意味があります。教育においては、英語では、assessmentがよく使われるようになっています。文部科学省の考えは、どちらかと言うと、evaluationの考え方です。ASSESSMENT AND EVALUATION OF THE TEACHING AND LEARNING PROCESS (The Open University)では次のように説明しています。

While assessment focuses on the learning and teaching processes and outcomes, and provides information for improving them, evaluation focuses on grading the quality of learner’s outputs. Evaluation is therefore described as the structured interpretation and giving of meaning to results.

以上、学ぶ動機を大切にする教育に関する提案5つを述べました。

  • もっと自由に学べる環境を充実する
  • 教師の仕事は学びを支援する人とする
  • 学校間の競争ではなく協調により学びを充実する
  • 学びの主役は生徒一人ひとりにある
  • 学びの評価は個人の成長で測る
日本の教育は基本的に悪くはないと思いますが、やはり一面的で家庭への経済的負担が大きすぎます。また、多様性(diversity)に欠け、公平性(equity)に欠け、インクルーシブ(inclusion)に欠けています。そして、格差(gap)が拡張しています。学ぶことは大切です。しかし、学びに大切なことは目標ですが、その学びは管理するものではなく、それぞれの個人のものです。教育はそのことを忘れてはいけないと思うのです。


梅雨曇り ワイン片手に 本を読む