2025年5月1日木曜日

Decision making / 意思決定 2025年5月1日(木)

世の中が複雑になればなるほど、組織が大きくなればなるほど、いわゆる民主主義を尊重すればするほど、平等性や公平性を考慮すればするほど、すべてのことをインクルーシブにしようとすればするほど、決めること(decision making)は遅れるようです。日本は何事もきちんと決められないことが多く、問題解決に時間がかかるような仕組みができているように思います。政治、経済、社会、教育などなど、「石橋を叩いて渡らない(Knock a stone bridge frequently, but DON'T crossing it)」という姿勢が顕著です。

しかし、日本は明治の開国においては意思決定は決して遅くなく、世界でも稀なほど急速に発展しました。江戸時代からの社会や教育の仕組みがあったからだとか言われていますが、戦争に勝利し、国の拡大を始め、暴走したのでした。あれだけの悲惨な状態の中から経済的には大国になったにもかかわらず、驕り、さらに暴走し、現在次第にその国力を失いつつあります。意思決定の遅さが一つの原因だと指摘されますが、その遅滞する動きがなんとか持ち堪えている現状を支えているのかもしれません。

一つ不思議なことは、その意思決定の遅さと責任の所在の曖昧さを築いている体制がありながらも、何かを決める際には意外になんとなく決めてなんとなく運用しています。私は教育の世界で生きてきましたので、政治や経済のことはあまりよくわかりませんが、「英語が使える日本人の育成」という方針が2000年代に入って始まりました。それ以前にJETプログラムという資格も特にない若い英語圏の人を教育の現場にアシスタントとして導入し、現在も続いています。その反省もないまま、「英語の授業は英語ですること」などの方針を進め、「英語教師は英語ができない」などとして悉皆研修(全員が強制的に受ける英語研修)を実施し、次にはICTの導入などと矢継ぎ早に、ごく一部の人の意見で英語教育の改善を進めてきました。私も一部片棒を担ぎましたが、提言もしました。どれだけ言っても何も変わらず、裕福な家庭の生徒が恩恵を被り、受験戦争が低学年化し、少子化にともないカリキュラムが密になり、生徒の意欲を引き出すために教員の管理はさらに進み、一部で教員不足により停滞しながらも、一部公立校と私学はますます発展しています。簡単に言えば、教育は二極化し、高校無償化や学校の統廃合が進み、経済効率の点から教育が荒廃しつつあるかもしれません。このような傾向を誰が決めているのかはっきりしないのが日本の特徴です。一旦動き出すとそのまま考えもなく進み、おかしいなと思っても止まらない。つまり意思決定ができないのです。

この点については、リーダシップ(leadership)の重要性がよく言われます。たとえば、Top 5 Decision-Making Skills of A Great Leaderでは次のようにまとめています。

  • The ability to define a problem and the logical steps needed to solve it (Problem-solving)
  • The ability to think outside the box to develop possible solutions (Creativity)
  • The ability to reason well and weigh options accurately (Logical Reasoning)
  • The ability to recognize and mitigate where bias or emotions are affecting decision-making (Emotional Intelligence)
  • The ability to move forward in the face of uncertainty or unpopular choices (Courage)

これについては、なるほどと思います。資質としてはそうですが、日本の状況では、この土台がない可能性が高いのです。勇気が必要だということはわかりますが、もしその勇気があっても多大な労力があり、強い抵抗がある可能性が高いでしょう。失敗すればすべて自分に帰ってきます。それを支える力もないかもしれません。日本の社会はそんな感じです。

「失敗は許されない」「絶対に負けられない」などとよく言われます。鼓舞するのはけっこうですが、これは危険です。このように言われると、意思決定はハードルが高くなります。また、一度決めたことが変えられないとなるとさらに厳しくなります。日本の社会はいつの間にかそのような硬直したシステムになってしまったのではないでしょうか?私は、基本的に決めなければいけないことは決めますが、すぐに決めたことを変えるように努めます。一つのことには固執しません。決まりがあるからできないとは考えません。常に柔軟であろうと努力します。


柔らかく 5月1日 一歩進む