2025年8月8日金曜日

Intercultural awareness / 文化間意識 2025年8月 8日(金)

「文化間意識(intercultural awareness)」という用語を私は使っています。意味は、「文化と文化が相互にかかわり合う際に生じる意識」です。 日本では、「異文化(間)意識(crosscultural awareness)」というのが一般的に定着しています。異なる文化に対する意識となり、あえて言うと、日本とは異なる文化に対する意識となります。「異文化」は日本の文化に対して言及する際に使われることが多くあり、「異人」「外人」というよそ者というニュアンスがあり、私はあまり好きではないので使いません。

Intercultural awarenessは、正確に訳せば、「相互(互い)の文化を意識すること」ということになります。Michael Byramが使ったIntercultural Communicative Competence (ICC)という用語の方が馴染みがあるかもしれません。ICCを一つの能力として、言語とともに培う必要性を示しました。これも、異文化間コミュニケーション能力と訳されています。「異文化間」を「互いに異なる文化」という意味で使うか、「自分とは異なる文化」と解釈すると思います。面倒なので、ICCと言っているか、英語のままで使います。

EBSCOによれば、

Intercultural awareness is the capacity to recognize, comprehend, and effectively engage with diverse cultures and the individuals within them. As globalization and immigration shape contemporary society, interactions among different cultures have become increasingly frequent, making intercultural awareness a vital skill. It encompasses understanding the beliefs, behaviors, and values shared by specific groups of people, which are influenced by factors such as nationality, religion, and ethnicity. This awareness begins with self-reflection, where individuals acknowledge their own cultural backgrounds and how these influence their perceptions and actions.

世の中が、科学技術や経済の発達により、ますます複雑に多様になってきて、多くのコミュニケーションがグローバルになり、瞬時に情報が伝わる社会になり、AIの急速な発達により、言語がある程度自動で翻訳可能になり、コミュニケーションがAIにより急速に発展しました。しかし、ますます、文化的な社会的な要素の軋轢はそれだけ多くなり、判断がますます重要になってきています。その意味で、intercultural awarenessは、私たち人間がしっかりとした思考をしていかないと難しくなっています。より効果的なCritical thinkingが要求されます。

Intercultural awarenessは、上記の説明のように、一人ひとりが自分をふりかえり、他者との関係を中で他者をより理解(theory of mind)し、互いに擦り合わせる努力をし、軋轢を緩衝し、互いにとってより良いあり方を探すという意識です。答えはありません。さらに、状況によって変化します。多様なことを同時に考えなければいけません。いわば、統合する学び(integrated learning)のプロセスです。

私は、Byram先生と直接何度か話して、CEFRの中で最もむずかしい分野だということを納得しました。Pluriculturalismという言葉でCEFRは追求しましたが、結局うまくいかなかったわけです。現在もあまりうまく行っているとは言えませんが、確実にその意義は生きています。私は、intercultural awarenessという意識が、特に日本の中で暮らしていいる人には必要だと思います。「日本人ファースト」は、America Firstとは違います。日本人が何を指すのかわかりませんが、考え方によっては人種差別であり、排他的です。America Firstは「移民の国、自由の国、アメリカ」ということを第一にするということです。

日本にもすでに多くの背景を持つ人が住んでいます。今さら「日本人ファースト」は問題です。Intercultural awarenessがないと言わざるを得ません。日本にずっといると、そのような意識が欠落しているような気がします。


そっと見る 夜空にひらく 花火かな