2025年5月3日土曜日

Constitution / 憲法 2025年5月3日(土)

きょうは、憲法(constitution)記念日ということです。しかし、私の生きてきた背景からすると、憲法改正などとして毎年この日になると議論がある日です。私自身は、現行の憲法に何の違和感もありませんが、ずっと改定せずにいることも硬直した姿勢で、今日の日本が行き詰まっている最大の原因だと思っています。80年近くの月日が流れ、多くの法律が時代に追いついてない状況があちらこちらであり、物事を決めるのに時間がかかる体制は決してよいことではないと思います。

法律を知る人は法律が大事だと言いますが、 解釈によってはどうとでも取れるような政治のやり方の方が問題で、裁判所や検察や警察の信頼性も最近では少しずつ薄れてきています。逆に考えれば、いまままでもかなりいい加減な法律の運用がされてきたと考えられ、一般の国民はそれにただただ従ってきただけでバカを見ていたのかもしれません。

日本国憲法の前文は次のようになっています。

日本國民は、正當に選󠄁擧された國會における代表者を通󠄁じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸國民との協和による成󠄁果と、わが國全󠄁土にわたつて自由のもたらす惠澤を確保し、政府の行爲によつて再び戰爭の慘禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主權が國民に存することを宣言し、この憲󠄁法を確定する。そもそも國政は、國民の嚴肅な信託によるものであつて、その權威は國民に由來し、その權力は國民の代表者がこれを行使󠄁し、その福利は國民がこれを享受する。これは人類普遍󠄁の原理であり、この憲󠄁法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲󠄁法、法令及び詔勅を排除する。

 日本國民は、恒久の平󠄁和を念願し、人間相互の關係を支配する崇高な理想を深く自覺するのであつて、平󠄁和を愛する諸國民の公󠄁正と信義に信賴して、われらの安全󠄁と生存を保持しようと決意した。われらは、平󠄁和を維持し、專制と隷從、壓迫󠄁と偏狹を地上から永遠󠄁に除去しようと努めてゐる國際社會において、名譽ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全󠄁世界の國民が、ひとしく恐󠄁怖と缺乏から免かれ、平󠄁和のうちに生存する權利を有することを確認󠄁する。

 われらは、いづれの國家も、自國のことのみに專念して他國を無視してはならないのであつて、政治道󠄁德の法則は、普遍󠄁的なものであり、この法則に從ふことは、自國の主權を維持し、他國と對等關係に立たうとする各國の責務であると信ずる。

 日本國民は、國家の名譽にかけ、全󠄁力をあげてこの崇高な理想と目的を達󠄁成󠄁することを誓ふ。

この前文の文言に特に反論する必要もないでしょう。日本国民が誰を指すのかはよくわからない時代になりつつあります。日本国籍を持つものと解釈するのが妥当でしょうが、国籍がなくても暮らしている人も多くなりました。本当にこのままでよいのかと思いますが、一つ直すとガラガラと崩れさるような気もします。いくら騒いでも、おそらく紛争でもない限り、このままずっと変わらないのでしょう。天皇制と同様、日本というのはそのような伝統を大事にする国なのでしょう。

ちょうどよい機会なので全文を確認してみたいと思います。

第一章 天皇

第一條

天皇は、日本國の象徵であり日本國民統合の象徵であつて、この地位は、主權の存する日本國民の總意に基く。

第二條

皇位は、世襲のものであつて、國會の議決した皇室典範の定めるところにより、これを繼承する。

第三條

天皇の國事に關するすべての行爲には、內閣の助言と承認󠄁を必要󠄁とし、內閣が、その責任を負ふ。

第四條

天皇は、この憲󠄁法の定める國事に關する行爲のみを行ひ、國政に關する權能を有しない。

天皇は、法律の定めるところにより、その國事に關する行爲を委任することができる。

第五條

皇室典範の定めるところにより攝政を置くときは、攝政は、天皇の名でその國事に關する行爲を行ふ。この場合には、前󠄁條第一項の規定を準用する。

第六條

天皇は、國會の指名に基いて、內閣總理大臣を任命する。

天皇は、內閣の指名に基いて、最高裁判󠄁所󠄁の長たる裁判󠄁官を任命する。

第七條

天皇は、內閣の助言と承認󠄁により、國民のために、左の國事に關する行爲を行ふ。

一 憲󠄁法改正、法律、政令及び條約を公󠄁布すること。

二 國會を召集すること。

三 衆議院を解散すること。

四 國會議員の總選󠄁擧の施行を公󠄁示すること。

五 國務大臣及び法律の定めるその他の官吏󠄁の任免竝びに全󠄁權委任狀及び大使󠄁及び公󠄁使󠄁の信任狀を認󠄁證すること。

六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復權を認󠄁證すること。

七 榮典を授與すること。

八 批准書及び法律の定めるその他の外交󠄁文󠄁書を認󠄁證すること。

九 外國の大使󠄁及び公󠄁使󠄁を接受すること。

十 儀式を行ふこと。

第八條

皇室に財產を讓り渡し、又は皇室が、財產を讓り受け、若しくは賜與することは、國會の議決に基かなければならない。

日本は、立憲君主制あるいは民主制(a constitutional monarchy, with a parliamentary system of government based on the separation of powers)と説明される根拠となっています。が、第1章に「天皇」のことが入っているということは、日本では「天皇」はやはり重要な位置を占めているということでしょう。多くの人は、その現状を変えようとは思っていないのではないでしょうか?

第二章 戰爭の放棄

第九條

日本國民は、正義と秩序を基調とする國際平󠄁和を誠實に希求し、國權の發動たる戰爭と、武力による威嚇又は武力の行使󠄁は、國際紛󠄁爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前󠄁項の目的を達󠄁するため、陸海空軍その他の戰力は、これを保持しない。國の交󠄁戰權は、これを認󠄁めない。

ここはよく揉めているところです。日本の自衛隊の存在を見る限り、誰もがちょっと首を傾げます。しかし、近い将来に紛争があった場合に、解釈でよしとするのでしょう。

第三章 國民の權利及び義務

第四章 國會

第五章 內閣

第六章 司法

第七章 財政

第八章 地方自治

第九章 改正

第九十六條

この憲󠄁法の改正は、各議院の總議員の三分󠄁の二以上の贊成󠄁で、國會が、これを發議し、國民に提案してその承認󠄁を經なければならない。この承認󠄁には、特別の國民投票又は國會の定める選󠄁擧の際行はれる投票において、その過󠄁半󠄁數の贊成󠄁を必要󠄁とする。

憲󠄁法改正について前󠄁項の承認󠄁を經たときは、天皇は、國民の名で、この憲󠄁法と一體を成󠄁すものとして、直ちにこれを公󠄁布する。

憲法の改正の手順は、現在の状況ではほとんど機能しないのではないかと危惧します。

第十章 最高法規

第十一章 補則

憲法は、国の最上位法であるにもかかわらず、成立の経緯などで異論のある人がいて、憲法学者という方がたくさんいて、本や論文もたくさんあります。法律は重要であり、弁護士の存在はなくてはならないのでしょう。しかし、いい加減な弁護士もいます。世の中全体が、この人の言うことなら間違いない、という時代ではなく、多様な考え方が共存する時代です。価値観も違えば文化も違い、ロシアやイスラエルの対応も法律的には正当化されて、現在のアメリカ合衆国のように一人の権力者が思うままに強権を出し、多くの国が翻弄される時代です。

国連もある面でその機能を失いつつあり、法律を整備したとしても機能しない場面は多々出てきます。紛争は多発し、政治経済などの力がある権力者が必ずしも悪とはならない時代なような気がします。以前に書いた「アンパンマン」のような世界は夢物語です。憲法を死守すること、憲法を改正すること、などのイディオロギーだけでは世の中はよくならない可能性が大です。ソーシャルメディアの意見に流され、何が正しいのかも判断できない状況はこの先も続き、法律が法律としての機能も果たさな苦なり、「論破する」などが蔓延る雰囲気は稚拙だと思いますが、それが正義にもなってしまいます。

一つひとつを大事に考えて、足下から踏み固めていくような時代が戻ってくることを、私は期待します。「ゆっくりと急いで」ではなく、やはり「ゆっくりと一歩一歩」がいいと思いますが、何ごとも柔軟に対応する姿勢は大事にしたいと考えます。


5月3日 もういくつ寝て こどもの日