2025年7月24日木曜日

English only / オールイングリッシュ  2025年7月 24日(木)

English only!

「オールイングリッシュ」という言い方がすっかり定着しています。日本の英語教育では、2000年に入った頃から「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という文部科学省の方針が示されたころから、この言い方があちらこちらで使われるようになったと記憶しています。もちろん、それ以前も、Direct Method (Oral Method), Audio-lingualism, Communicative Language Teachingなど、English native speakerの発想で推奨されてきました。日本語教育では、直接法(日本語だけで指導する)、間接法(学習者の言語も使って指導する)といって言います。当然ながら、日本語母語話者が日本語を教えるので、直接法が基本とされます。

「オールイングリッシュ」は日本語としては何も問題ないですが、英語だとちょっとおかしいと言われます。英語では、English only, only English, all in Englishなどと言うのがふつうです。しかし、最近はある程度定着してきているので、私は構わないと思います。というのは、「オールイングリッシュ」は日本語なので、暗に日本語も使っていいですということになります。結局そんなものです。自分の母語を使うのは自然でやりやすいわけです。母語ではない言語を、その対象となる言語だけで無理に指導するのは不自然です。当然のように、必要な言語を使って学習するのが自然です。活動は、その習熟度などの学習環境によって柔軟に考えるのが大切だと思います。

このような考え方は、EMI (English Medium Instruction)やBilingual Education, Immersion, CLILなどのアプローチでは、次第にふつうに取り入れられています。その中でよく使われるようになった用語でtranslanguagingという英語があります。言語が交差して使われる状況のことで多言語やバイリンガルではふつうに行われているコミュニケーションです。この考え方の基本は、languagingということで、言語は固定したものではなく動的に使われるもので、思考したり、行動したり、反省したりする機能で、単に英語、日本語という対象ではないということです。言語はそのような単一のシステムではなく、言語と言語を渡る言語という総体をtranslanguagingと言っていると考えます。

その意味で、「オールイングリッシュ」は古い考え方です。日本語の脳を英語に置き換えるという思考での言い方です。その方が英語が理解しやすいし、学習しやすいという発想です。しかし、そうではなく、バイリンガルの方が、あるいは、translanguagingの方が効果的とされつつあります。語彙の研究でも著名な言語学者のPaul Nationが次のように言っています。

Translanguaging involves the use of the first language in the second or foreign language classroom. Such language use has been a matter of debate with regards to vocabulary learning, but the research findings are clear. Using the first language to explain the meanings of foreign or second language words is highly effective and has a positive effect on the learning of vocabulary. https://www.tesl-ej.org/pdf/ej103/a24.pdf

「オールイングリッシュ」は、私の解釈では、「英語をできる限り使い、慣れる意味で、授業などでは、教師も英語を使ってください。また、教師が英語を使うことで、生徒もたくさん英語に触れて、使って、学んでくださいね」ということです。強制ではないのです。私は、英語の教員になる際に、そう指導されました。教育実習でもそうして、高校教員になってもそう努力しました。大学でも同じです。その意味で、CLILという学習はよい考えだと思っています。


汗ひかり 入道雲や かき氷