2025年6月29日日曜日

Hybrid languages / 混じり合う言語 2025年6月29日(日)

日本語は一般的にこのように説明されることが多いですが、英語もそれに加わります。30年ほど前に、英語がそのまま日本語の中に入る現象を学会で報告したことがあります。発表タイトルは、English words into the Japanese writing systemで、AILA (国際応用言語学会)という大会です。国際大会での発表は初めてだったので、あまりいい発表ではなく、注目もされませんでした。ただ、その頃は、「電車でGO」などが新聞にも載り、inやwithなどの前置詞が日本語の中にそのまま使われ出し、カタカナ英語ではなく英語そのものが使われる傾向が顕著だったので興味を持っていました。

英語学的には、creolesやpidginsなどが以前から研究され、植民地などで英語が浸透するに従い、その土地の言語と英語が混合し、独特の言語を形成してしまうという現象があることは知られていて、言語学的にはネガティブは印象が持たれていたと思います。が、この30年の間に、地球規模で人や物の動きが増大し、特に英語の必要性が大きくなり、また、他の言語もそれぞれの状況で意味を持ち、多言語多文化が盛んに叫ばれてきています。言語が混じり合うのは自然だと思って、日本語もどんどん変わるだろうと考えていました。

その後その調査研究には興味を持たず、違う方向に行きましたが、私は、できる限り英語そのものをそのまま使うようにしました。カタカナ語は悪影響だと考えたわけです。カタカナ語は基本的にそのもとの言語の発音に近い音の表記です。しかし、ヨーロッパ言語であれば似た言語形式となっているので、混乱します。英語を使うことが多いので、どちらかと言えば、そのもとの表記で使う方が誤解は少ないだろうと思います。たとえば、テーマ (theme)、ウィルス(ビールス)(virus)、エネルギー(energy)、ワクチン(vaccine)、オーバードース(overdose)など。

英語をそのまま使ったほうがいいというもう一つの理由は、私が英語教育にかかわっているからでしょう。国語教育者だったら、おそらくそうは言わないかもしれません。私は、基本的に科目としての英語はそれほど興味がありません。それは、英語学や英文学が嫌いだという意味ではありません。英語学も英文学も関係なく相当勉強しています。ただ、それを学習者には要求しません。英語だけきちんと勉強してもそれほど仕事はないし、国際的には活躍できないでしょう。「英語+」ということが多くの人には重要だと考えています。よくネイティブの発音ということをよく言う人がいますが、私は通じることが大切だと思います。

さて、前置きはそれくらいにして、混じり合う言語(hybrid languages)について考えましょう。同様の現象はいくつかの表現で言われていますが、The Rise Of Hybrid Languagesでは次のように説明されています。

Hybrid languages are not a new concept; they often arise in areas where people feel connected to more than one cultural identity. The use of creoles and pidgins date back to ancient times, arising out of the necessity for two or more cultures to communicate e.g. when trading. They are seen as valid forms of communication, with many forms having roots in colonialism and the blending of European and indigenous languages.

それだけではなく、ふつうの生活やアカデミックな場でもこの傾向は顕著になっているように思います。その背景には、互いの言語がある程度わかるということがあります。最近多くの観光客が日本にも訪れるようになって、日本語に関してある程度わかっているので、英語と日本語を自然に使うことで、多くのコミュニケーションはスムーズに行きます。同様のことは、海外でもそうです。有名な場所には多くの人がどこでも世界中から集まります。インターネット上でも同様のことがあるようです。翻訳も便利になり、言語がますます混じっていきます。

私の場合、基本は日本語と英語ですが、必要に応じて他の言語も使います。しかし、それはそれほど新しいことではありません。日本では漢文として中国語を導入したように、やり方は多様です。その意味で、英語は英語のまま使い、その他の言語も文字の問題をクリアすれば混じり合うことはありえると思います。


混じり合う 言葉も文化も 夏の色





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