彼岸花は、童話『ごんぎつね』の作家、新美南吉の生まれた地としても知られる半田市矢勝川周辺が有名です。多摩川でもポツポツと咲いています。真っ赤な花は派手ではなく、そっと咲いて、そっと散る、という感じです。
『ごんぎつね』の中に彼岸花が次のように出てきます。
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「ああ、そう式だ。」と、ごんは思いました。
「兵十の家のだれが死んだんだろう。」
お昼が過ぎると、ごんは、村の墓地(ぼち)に行って、六地蔵(ろくじぞう)さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向こうには、お城の屋根がわらが光っています。墓地には、ひがん花が、赤いきれのようにさき続いていました。と、村の方から、カーン、カーンと鐘(かね)が鳴ってきました。そう式の出る合図です。
やがて、白い着物を着たそう列の者たちがやってくるのがちらちら見え始めました。話し声も近くなりました。そう列は墓地へ入っていきました。人々が通った後には、ひがん花が、ふみ折られていました。
ごんはのび上がって見ました。兵十が、白いかみしもを付けて、位はいをさげています。いつもは赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、今日はなんだかしおれていました。
「ははん。死んだのは兵十のおっかあだ。」
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