『野菊の如き君なりき』 製作ニュース
『野菊の墓』(伊藤左千夫著)をpodcastで聞きました。沼尾ひろ子さんという方が公開しています。たくさんの朗読があって重宝しています。他にもたくさんの朗読があり、こんなにたくさんの朗読を一人で提供しているというのはすごいと思います。ときどき読み間違いもありますが、気にしないで読んでいるところも、私は好きです。
『野菊の墓』は知っている話かと思いましたが、たぶん読んだことはなかったようです。まったくの思い違いをしていました。映画やテレビドラマにもなっているので、なんとなく知っていたとようですが、読んだと思い込んでいました。人間の記憶はほんとにあいまいで信用できないとつくづく反省しています。老害といいますが、歳を取れば取るほど頑固になると自戒しています。気をつけます。
さて、話は至極単純ですが、年寄りには新鮮で、誰もが同じような感情を小さい頃に持ったことがあると思う話です。普遍性のある内容ですが、ストレートにそれを書いているので新鮮でした。少年がちょっと年上のお姉さんに恋心を寄せ、思春期の淡い感情をそのまま持って生きていくという話です。民さんという女性は、物静かで、自分の意思は言わず、年頃になると嫁いで子供を産み家庭を守る、というような今では考えられない人生をふつうに受け入れていた時代です。流産から体調を崩して亡くなってしまい、政夫という少年は、民さんを思いながらも幸せにできなかったことを後悔して生きていくというストーリーです。
Animated Classics of Japanese Literature 04 -The Grave of the Wild Chrysanthemum (Itō Sachio)
子ども向けにも美しい話なので、絵本などにもなっているのだろうと思います。が、舞台は松戸で矢切の渡しのあたりということも、私は知らず、演歌の「矢切の渡し」とも多少関係あるのかと思います。また、「野菊 (wild chrysanthemum)」というメタファーがとても印象的です。日本では、菊は仏事にもよく使われ、菊には愛着があります。野菊が墓には似合うのでしょう。
この話を聞きながら、自分の小中学生の頃を思い出しました。中学校の頃は誰もが同じだと思いますが、難波園子さんという人に片想いをしていました。その頃は毎朝牛乳配達のアルバイトしていて、彼女の家の近くにも配達していて、朝にでも窓から出てこないかなと思っていたのを思い出しました。姿を見るだけで嬉しかったような年頃です。その後大学生の頃に一度だけデートしたことがあります。彼女は働いていて、私は大学生でした。そのときに、近いうちに結婚すると言われ、淡い夢も壊れてしまいました。
50歳ごろになり、風の便りに、亡くなったと聞きました。事情はまったくわかりませんが、『野菊の墓』のようなきれいな話ではありませんが、ふっと思い出してしまいます。そんな切ない美しい話でした。
寒菊や 記憶は変わる 夢のよう
0 件のコメント:
コメントを投稿