2025年7月23日水曜日

State (public) school / 公立学校  2025年7月 23日(水)

英国のpublic schoolは、public houseと同様に「多くの人に開かれている」という意味で使われ、現在はindependent schoolとなっています。日本の公立校はpublic schoolと言えばいいわけですが、英国を基準にすると、state (maintained) schoolとなります。しかし、学校の設立にかんしては細かく言うと多様です。さて、本題ですが、日本の公立学校の役割について考えてみたいと思います。現在日本には、小中高の公立校の数は、小学校18,669校、中学校9,095校、義務教育校201校、高校3,455校、中等教育校35校(2023年度学校基本調査)あるとなっています。いずれも生徒数は減少傾向にあります。義務教育校や中等教育校は比較的最近の形態ですので、増加しているようです。私は公立高校に勤めていたので、ごく一部の私立校を除いて、公立学校は重要な教育機関で、地域社会ではある程度の位置を占めていたと思います。

しかし、だいぶ以前から私立学校に生徒が行くようになりました。この原因は多様です。私立学校が自助努力して学習の質が向上している、公立学校の環境が低下している、保護者の意識が二極化して、余裕のある家庭が国際化を重視する私立を選ぶようになった、などなどあります。中学校受験、高校受験などの受験システムも一因があると思いますが、私立学校の学習環境がよくなっているという傾向は確かにあるような気がします。公立学校は、小中高にわたって施設面では以前と比較すると決してよくなっていません。

私はこの公立学校の劣化の期間、研究の一環として他国の学校をよく訪れました。多くは公立の学校です。その調査からすると、 IT機器の導入や教室環境などが、明らかに日本が低迷していることをずっと感じていました。私の調査は言語教育にあったので、その点の教育にかんしても、アジアの国々が早期英語教育に熱心だったのに対して、日本はかなり遅れました。また、ヨーロッパ、北米、オセアニアが、多言語多文化を基本に、いくつかの言語を学校で教えるカリキュラムを進めたのに対して、日本は英語一辺倒でした。さらに、部活動や課外活動、学校の特別活動などを含んだ教育活動に熱心な日本の教育は、他の国に較べると、良い面もありますが、教師の働き方に多くの負担を強いる体制があることに気づきました。

私は、そのようなシステムが嫌で、大学に変わりました。自分の研究や実践としてやりたいことができる環境に変わりたかったからです。さらには、外の世界を見たかったので、上記のような学校臨床調査をしているわけです。何度細々とですが、そのような論考を発表したりしましたが、それが変わることなく現在に至っています。

私は、公立学校が教育にとっては基礎であり、それは社会的にも重要であり、公立学校の伝統が失われるのは残念です。公立学校を維持するには、そこで働く教員を大切にすることが一番です。しかし、なぜか私が退職してから、勤務を徹底的にトップダウンにしようとしました。勤務、授業、部活動、書類管理、研修などが厳しくなりました。調整手当や給与面や待遇などは、「働き方改革」のおかげと、教員採用面の課題で、少しずつよくなりつつありますが、教員を取り巻く管理的な面は、社会の信頼回復のために、それほど変わりません。教員の自由裁量はいずれにしても改善されない状況だと考えます。公立学校がより社会的にも教育的にも魅力的な環境になっていただきたいと心より思います。陰ながら応援します。


西日受け 今日も多摩川 歩く日々 





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