2024年8月29日木曜日

研究3(スコットランド)  2024年8月29日(木)

 Scotlandには長く縁がある国の一つです。博士課程の学習がそのほぼすべてですが、それだけではではありません。あちらこちらに行きました。初めて訪れたのは1991年だったと思います。高校の同僚とレンタカーを借りて冬のスコットランドに1週間ほど滞在しました。そのときの記憶はすでにはっきりしませんが、その後  2004年以降毎年何度も訪れる国となるとは思っていませんでした。

さて、研究としてのScotlandは、Modern languages(外国語教育:フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語など)です。特にSCILT(Scotland's National Centre for Languages)の活動に注目して研究しました。現在のSCILTの活動は当時とかなり違いますが、総じて言えることは、英語以外の言語学習を仕事と関連させて推進することにあるようです。
私の研究対象は、2005年〜2010年ごろのModern languagesとHeritage languagesです。小学校や中学校のフランス語、ドイツ語、スコッティシュ・ガーリック(Scottish Gaelic)などの授業を見て、教師にインタビューし、教員研修などに参加しました。研究は、発表したり論文を書いたりすることに結びつけますが、この研究は直接の成果はほとんどありません。綿密な調査をするには時間も費用も限られていたからです。ただし、私の探求の中では一番おもしろく、今でもそれは続いています。
        Scottish Gaelic: Explained

何がおもしろいかというと、言語学習の展開とそれぞれの活動です。それと、それにかかわる教師のこころです。多くの人が、英国や英語を話す環境の人たちは外国語を学ぶ必要がなく、外国語学習環境も盛んではないという印象を持っています。私のリサーチクエスチョンは、日本の中高の英語授業と似ているのではないかということです。結論から言うと、ある面で似ていますが、やはり異なります。
似ているところは、「外国語を使って授業を展開する」、日本で言えば「英語の授業は英語でするものとする」という言語授業の神話(根拠のない話) (myth)です。英語を母語とする学者から推薦されるDirect Methodは、やはり特殊だということです。多くの場合、英語でやりとりをしながら外国語を学びます。文法や語彙や発音の指導は主流で、「訳す」という活動もどの授業でもふつうにあります。Modern languagesは基本人気がありません。
しかし、スコッティシュ・ガーリック(Scottish Gaelic)を維持しようとする活動は違います。Immersionなども細々と行われています。これは一つの運動と考えてもいいでしょう。Heritage languagesの維持は、多言語多文化とも併せて、英国全体として一つの言語政策として見習うべきものがあります。
このように、多様な言語を提供しようし、多様な支援をしている点は、EnglandよりもScotlandの方が熱心です。WalesがWelshを普及している言語政策が基盤にあると考えていますが、この姿勢は重要だという印象を持っています。
現状で一番重要だと思う点は、言語学習がビジネスや実用に特化している点にあります。教養としての言語学習という考え方はほぼ皆無です。フランス語をなぜ学ぶか、中国語をなぜ学ぶかは、学習者の動機を重視しています。Englandと較べると言語に関しては丁寧な指導をしていると感じました。日本のように入試を餌にして知識を詰め込むのではなく、これからの仕事や社会で役に立つという面を重視し、ヨーロッパ言語だけではなく、他の言語に関心を持つように促している。それは、身近にいろいろな背景の人がいる状況が進んでいるからでしょう。この背景には、CEFRが着実に浸透していることがよくわかりました。
現在でもその傾向は変わらずコロナ前には、日本語学習の機会も提供する動きもありました。しかし、ひるがえって日本を見ると、依然として英語一辺倒で多様性には欠けます。Scotlandは私にとって大切な国の一つです。

八月は スコットランドで ウヰスキー




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