2024年9月2日月曜日

源氏物語  2024年9月2日(月)

 The Tale of Genji: Japanese Classic Illuminated | Exhibitions | Showcase


源氏物語54帖を先日読んでみました。源氏物語は断片的には知っていましたが、この歳まで通読したことはなかったのです。上賀茂神社を訪れた際に、孫の安産を祈願して縁結びの片山御子神社に寄りました。「ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに たちやぬれまし」という紫式部の和歌があり、どういう意味だろうと気になり調べてみると、「あなたをずっと待っています」ということらしい。きれいな和歌です。そこで源氏物語を思い出しました。

当初神社を訪れた目的は、龍神を祀っている新宮神社で御神楽の舞を見ることでした。辰年でその日に公開しているということで訪ねました。何かご利益があればいいなという俗な願いです。その後、風水とは逆に、上賀茂神社から下鴨神社へと拝観しました。京都を歩いている間に少しふりかえってみましたが、源氏物語の知識がないことに気づきました。大河ドラマで紫式部を扱っているせいでしょう。紫式部ゆかりのいろいろな情報に誘われて、とりあえず源氏物語を読んでみようと決めました。

源氏物語をざっと粗く読みました。たぶん鑑賞にはほど遠い状態です。私自身は、内容についてはそれほど感銘を受けたわけではありません。原文と現代語訳を双方を対比して読みました。原文はやはり私にはむずかしいのですが、現代語訳だけで読んでもストーリーを追うだけであまり魅力がないように感じたからです。読むにつれて、原文はとても魅力的で、時間をかけてゆっくりと読むと味わい深いものがあります。
新鮮でした。原文がとても美しいと率直に感じました。漢文が主体の文体ではなく、これが平安時代に書かれたものなのかという驚きは確かにありました。さらに、全体の詳細な構成が実にすばらしい。物語とは思えないくらい、とても緻密で人間味を感じました。その当時の貴族社会を生き生きとよく表していて、文体として和歌と散文がバランスよくあり、話に引き込まれました。感心したのは、さっぱりと描いている点です。光源氏の晩年を省略し、夢浮橋で中途半端に終わっているところがなんとも言えず、不要な書き過ぎがなく、現実感がありました。
私にとっては、やはり紫の上にとても惹かれました。うまく言えませんが、光源氏にとってもなくてはならない女性だったのだろうと、よく描かれていると思いました。いずれにしても、それぞれの登場人物の描写や心の動きが実によく表されていて、それだからこそ、長く愛され続けたのだと思った次第です。

次の紫の上を見るくだりは、私には印象的でした。

「つらつきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、いはけなくかいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。ねびゆかむさまゆかしき人かなと、目とまり給ふ。さるは、限りなう心を尽くし聞こゆる人に、いとよう似奉れるが、まもらるるなりけりと思ふにも、涙ぞ落つる。」


臥待月や 紫の上 想う夜

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